庭先で見つけた珍獣
  
    

  
  街をぷらぷら歩いていると、 街路樹の根元にゼリーみたいなものを発見。
 
   よく見れば、その中には、にょっきりと芽を出した種が。
   さらに表面には、目と口らしきものがついていました。

   「生きものなんだろうか?」
   と思って芽を軽くつまんでみると、 ゼリーみたいな体がピクン、と。
 
   生きている!

   さらに大きさがあまりに手ごろだったもので、 両手でもって、すくい上げてみたのですが。
   これがまた…手に吸いつくようなフィット感で、 さらにひんやりと、ものすごく気持ちいい…!

   「この子はいったい動物なんだろうか、植物なんだろうか…。」

   そんなことをぼんやり考えながら、そのまましばらく。

   ふっと我にかえり、手をゆっくり地面まで下ろすと、 彼はぴょん、とはねて、ふたたび草の上へ。

   なんだかとても幸せな気分になりました。
       
   僕の家の近くには小さい神社があるんですが、 その参道の脇に、これまた小さい池がありまして。

   そこを通りかかったときに、 なんかやたらと大きいカエルがいるなーと思ったんですが、
   よく見ると…あれ?クマ!?

   しかし座り方やシッポは犬っぽいし、 座ってるハスの葉(?)がまた妙に大きいし、んんん…何者?

   カエルとして見たときの目も、クマとして見たときの目も、 どっちも本物っぽいのがまた
   ……もしかして、4つ目ってやつで すか?


   まあ正体はよくわからないけど、 シッポをぴょこぴょこと振っていて、とにかく可愛かったです。

   …ん?てことはやっぱり犬なのか?
       
  町に日暮れの音楽が流れるころ、 家に帰ると庭先に変な動物がいました。

   んん?

   パンダのような、鳥のような…?

   珍しいなーと思ってついジロジロと見てしまったのですが、 彼も全くおびえる様子はなく、僕の目をじっと見つめます。

   近づいてそっと頭をなでてみると、 なんだか嬉しそうに体を上下に揺らしてくれました。

   おお。

   毛はウサギのようにふかふかしてて、すごくいい気持ち。
   羽(手?)の毛も同じだったので、飛んだりはできないのかも?

   ひとしきり触らせてもらったあと、 僕が立ち上がって「じゃあまた」と手を振ると、
   彼も「キュッ!」とひと鳴きして
   ポン、ポン、ポンとすずめが跳ねるように外へ出て行きました。
  
  


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